COLUMN
コラム
公開日:
2026/6/3
|
最終更新日:
2026/6/15
モビリティ・アドトラック
【2026年最新版】アドトラック市場規模の現状と予測|業界トレンド・課題・2030年展望
この記事のポイント
・ohpner×デジタルインファクト共同調査(2025年7〜9月)によると、モビリティ広告市場は2025年の約15億円から2030年に約75億円へ、2025年比約5倍の成長が見込まれる。
・2024年の規制強化で一時的に市場が縮小したが、2026年は前年比153%の約23億円への回復が予測されており、成長を牽引するのは韓国コスメ・美容医療・BtoBサービス・自治体など新たな広告主層の参入だ。
・市場成長の課題として効果測定の標準化・ブランドセーフティの確立・供給制約の緩和の3点が挙げられており、これらの解決が2030年75億円市場実現の条件となっている。
・アドトラックは「エンタメ向けの特殊な広告手法」から「汎用的なOOH媒体」へと転換しており、BtoBサービスや自治体PRなど従来想定されなかった用途での活用が定着しつつある。アドトラックは今、大きな転換点を迎えています。2024年の規制強化により市場は一時的に調整局面に入りましたが、新たな広告主層の参入やSNSとの連携施策の定着により、中長期では力強い成長が見込まれています。
アドトラックへの出稿を検討する際、「市場としてこれから伸びるのか」「どんな企業が使っているのか」を知りたいという声をよくいただきます。本コラムでは、ohpnerが実施した市場調査データをもとに、アドトラック市場の現在地と2030年までの展望を整理します。
1. 数字で見る市場の現在地|2025年15億円→2030年75億円
2. 街中の景色が変わった|新業種参入の実態
3. 市場が抱える3つの構造課題
4. 2030年展望
5. まとめ
📊 本コラムで使用している自社調査データ
① 市場予測調査:ohpner株式会社×株式会社デジタルインファクト 調査期間:2025年7〜9月
② 広告効果調査:ohpner株式会社×株式会社クロス・マーケティング 調査期間:2026年2月13〜18日
※ 広告効果調査対象:関東一都三県在住・20〜49歳男女・都心主要エリアへ週1回以上訪問する生活者 n=3,978
アドトラック市場規模の推移と予測
アドトラック市場は、長年にわたって特定の広告主層に支持されてきましたが、2024〜2025年にかけて大きな変化が生じました。
ohpner×デジタルインファクトの共同調査(2025年7〜9月)をもとに、モビリティ広告市場の規模推移と今後の予測を示します。調査の詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください。

年度 | 市場規模 | 概要 |
2025年 | 約15億円 | 前年比60%ー規制強化による調整局面 |
2026年(予測) | 約23億円 | 前年比153%ー回復局面へ |
2030年(予測) | 約75億円 | 2025年比約5倍ー持続的拡大 |
① 2025年の減少は「規制による市場の篩(ふるい)」
2024年6月の東京都屋外広告物条例改正により、市場は一時的な調整局面に入りました(規制の詳細はこちら)。この減少は、規制に対応できない事業者が退場し、適法・高品質な運営体制を持つ事業者のみが残るプロセスとして捉えることができます。
② 2026年以降:新たな広告主層が牽引する回復
2026年には約23億円(前年比153%)への回復が予測されます。回復を支えているのは従来層の復帰ではなく、これまでアドトラックを活用していなかった新業種・新ブランドの参入です。この構造変化が、2030年75億円予測の根拠となっています。
街中の景色が変わった|新業種参入の実態
従来、アドトラックの主な出稿層はエンタメ・芸能・アニメ・ゲーム系に偏っていました。2024年以降、その構造が大きく変わっています。
業種カテゴリ | 具体的な業種 | 主な走行エリア | 主な出稿目的 |
エンタメ・IP・芸能 | アニメ・ゲーム・音楽アーティスト | 渋谷・原宿・池袋 | 話題化・ファンへのサプライズ接触 |
韓国コスメ・外資系ブランド | 美容・ファッション系ブランド | 渋谷・表参道 | ブランド認知・インバウンド訴求 |
美容医療・クリニック | 医療・ヘルスケア | 銀座・丸の内・表参道 | 高所得層・感度の高い層へのリーチ |
BtoBサービス・SaaS | IT・人材・マーケティング | 新宿・丸の内・大阪梅田 | ビジネスパーソンへの認知獲得 |
自治体・地方PR | 官公庁・自治体 | 渋谷・新宿 | 地方移住促進・観光PR |
スポーツ・エンタメ興行 | スポーツチーム・興行 | 会場周辺・都心部 | 試合告知・ファン獲得 |
なぜ今、この業種が参入しているのか
① 韓国コスメ・外資系ブランド
インバウンド需要の回復とともに、訪日外国人・感度の高い消費者への接触手段としてモビリティ広告を活用しています。渋谷・表参道という「ブランドの文脈に合うエリア」での走行がSNS拡散を生みやすい点が評価されています。
② 美容医療・クリニック
高所得層・30〜50代女性へのリーチ手段として銀座・丸の内・表参道エリアでの走行が増加。デジタル広告の規制強化(薬機法対応)によりオフライン媒体への移行も背景にあります。
③ BtoBサービス・SaaS
「BtoBはデジタル広告が主流」というイメージに反し、新宿・丸の内・大阪梅田でのビジネスパーソンへの認知獲得手段として活用が広がっており、「決裁者に届く媒体」としての再評価が進んでいます。
④ 自治体・地方PR
地方移住促進・観光PRを目的とした自治体への出稿が増加。渋谷・新宿などの都心エリアで地方の認知拡大を図るケースが増えています。
💡 ohpnerからの考察
業種の多様化は、アドトラックが「エンタメ向けの特殊な広告手法」から「汎用的なOOH媒体」へと変化していることを示しています。この変化こそが2030年75億円市場の構造的根拠です。
市場が抱える3つの構造課題
成長が期待される一方で、市場の健全な発展を阻む構造課題が存在します。ohpnerの視点から率直にお伝えします。
課題① 効果測定の標準化
現状、アドトラックの効果測定手法は事業者によって異なり、業界共通の指標が存在しません。広告主が複数社に見積もりを依頼した際に「効果の比較ができない」という状況が生まれています。
課題② ブランドセーフティの確立
違法走行・低品質なクリエイティブを行う事業者が市場に存在し続ける限り、業界全体の信頼性は損なわれます。2024年の規制強化は行政による対応でしたが、業界内での自主的なブランドセーフティ基準の確立が引き続き求められます。出稿企業のブランド毀損リスクにも直結する問題です。
課題③ 供給制約の緩和
特に東京都心部の主要エリアでは、走行ルート・時間帯・申請枠の制約により供給に限界があります。需要の拡大に対して供給が追いつかない状況が生まれつつあり、走行ルートの最適化と複数都市への展開が急務です。
2030年展望
上記3つの課題が解決されることで、何が起きるかを予測します。
① 効果測定が標準化されると
広告主が「費用対効果を他媒体と比較できる」状態になり、デジタル広告との予算配分の議論に参加できるようになります。これにより、従来はデジタル広告一辺倒だった予算の一部がアドトラックに流入する可能性が生まれます。
② ブランドセーフティが確立されると
上場企業・グローバルブランドが「安心して出稿できる媒体」として認定し、案件規模・出稿期間の長期化が進みます。現在すでにグローバルIP企業・上場企業の出稿が増加していますが、この流れが加速します。
③供給制約が緩和されると
東京一極集中から大阪・福岡・名古屋への展開が進み、地方市場の開拓が始まります。全国展開を狙う広告主にとっての選択肢が広がり、市場全体のボリュームが拡大します。
💡 ohpnerの取り組み
・メディア開発:走行ルートの最適化・新エリアへの展開
・運用設計:GPS管理・効果測定の高度化・業界共通指標への貢献
・クリエイティブ最適化:TOAAデザイン審査基準に沿った高品質な広告制作支援
これらを通じて、業界共通の基盤づくりに取り組み、2030年75億円市場の実現を推進します。
※ohpnerの具体的な取り組みについてはこちらのコラムで詳しく解説しています。
まとめ
アドトラック市場は、2024〜2025年の調整局面を経て再編が進んでいます。変化の本質は規模の縮小ではなく、出稿業種の多様化・業界の健全化・供給構造の整備という「構造変化」です。
2025年15億円→2030年75億円という5倍成長予測の根拠は、この構造変化が持続的な需要拡大につながるという見立てによるものです。市場の成長とともに出稿競争も激しくなっています。早期に動いた企業ほど、エリア・ルート・クリエイティブで有利なポジションを取れます。
ohpnerでは、戦略設計から申請代行・効果測定まで一括でご支援しています。まずはお気軽にご相談ください。
■ ohpner株式会社について
ohpnerは、「モビリティ広告(旧:アドトラック)」という概念を業界で定義し、市場の健全化と拡大を牽引してきた会社です。媒体開発・車両管理・オペレーション・販売をすべて自社で持ち、ポケモン・プログリット・石川県小松市など、ナショナルクライアント・上場企業・自治体への出稿実績を持ちます。
アドトラックの開発者として、また複数のオフライン広告を扱う代理店として、目的の整理から活用案の設計まで伴走します。
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